はじめに:社会人こそ「学び直し」のタイミングに立っている
「このままでいいのかな?」
「もっと自分にしかできないことがしたい」
「何かスキルを身につけたいけど、時間がない…」
そんな思いを抱えながら、仕事と日常に追われていませんか?
社会に出てから数年が経ち、ある程度の経験を積んだ頃、多くの人がふと感じるこの違和感。それは“学び直し”という選択肢が視野に入ってきた証拠です。
ただし、社会人の学び直しは「何をどう始めるのか」が難しい。
学生のように目の前にテストや受験があるわけでもなく、義務でもない。時間も体力も限られる。だからこそ、最初の一歩がとても重く感じてしまうのです。
本記事では、30代会社員である筆者自身の体験をもとに、「学び直しって何から始めればいいの?」という疑問に実用的なヒントをお届けします。
なぜ今「社会人の学び直し」が注目されているのか?

まず最初に、「社会人の学び直し=リスキリング」がなぜ今、これほど注目されているのか。その背景から整理しておきましょう。
リスキリングは“時代の必須戦略”になった
2020年代以降、AIや自動化の進展により「仕事の再定義」が進んでいます。
単純作業はどんどん機械に置き換えられ、「思考力」「判断力」「問題解決能力」といった“人間らしさ”が求められる場面が増加。
こうした社会変化に合わせ、経済産業省をはじめとした国の施策でも「社会人の学び直し支援」に力が注がれています。
【※出典:経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」】
2. キャリアの「長期化」で“学び直し”が不可欠に
日本では定年延長・人生100年時代に向けた働き方の変化が進んでいます。
60歳以降も働くことが前提になりつつある中、ひとつのスキルや職種だけでキャリアを完走するのは難しい時代です。
その結果、「40代・50代からの学び直し」がごく自然な選択肢となり、キャリア自律や転職市場でも“アップデートできる人材”が高く評価される傾向にあります。
3. 社会人向けの“学びの環境”が整ってきた
以前は「学び直し=大学に通い直す」というハードルの高い選択肢が中心でしたが、今は違います。
オンライン講座、サブスク型の学習プラットフォーム、資格取得支援サービスなど、スキマ時間で無理なく学べる選択肢が急増しました。
たとえば、Schoo・スタディサプリ・Udemyなどでは、仕事終わりに1本の動画を見るだけでリスキル・アップスキルが可能です。
また、厚労省の「教育訓練給付制度」などを活用すれば、自己負担を抑えてスキル取得にチャレンジできる時代になっています。

つまり、“学び続けられる人材”が今後ますます重宝される社会になっていくとも言えますね。
学び直しを始めたいと思ったきっかけとは?
筆者が「何か学びたい」と思い始めたのは、30歳を過ぎた頃。
仕事に慣れ、責任も増える中で、「このまま年を取っていくのが怖い」と感じたのが最初のきっかけです。
- 若い頃のように成長を感じない
- スキルが時代遅れになっていく不安
- 何かを始めたいけど、何を選べばいいかわからない
そんな漠然とした不安を、言葉にすらできずにいました。
だからこそ、最初に始めたのは「行動」ではなく「情報収集」だったのです。
いつの時代もどんなジャンルも知識や情報は必要不可欠です。
当然知っていると知らないのでは、考えや行動にも変化があるので、
「今のままではいけないな・・・」「自分を変えるきっかけが欲しい」
と思っている方にこそ、学び直しを強くおすすめします。
学び直す内容やジャンルはなんだっていい。
自分が好きなこと、興味のあること、頑張れそうなこと、誰かの役に立ちそうなこと、とにかく行動することが大切です。
小さくてもいいのでまずは1歩1歩ゆっくりと進んでみてはいかがでしょうか?
まず何から始めればいい?初心者におすすめの“入口”3選


① まずは読書(1日5分からでも効果あり)
筆者が最初に始めたのは、ビジネス書やエッセイを読むこと。
KindleやAudibleなど、手軽にデジタルデバイスで学びに触れられる環境が整っている今、「5分だけ読む」でも立派な学び直しです。
ただ個人的にはスマホで読むのはおすすめしません。SNSやLINEといった誘惑も多いので集中できるKindle端末や本で読むのがおすすめですね。
おすすめ書籍ジャンル:
- キャリア論(例:『LIFE SHIFT』)
- 思考法(例:『地頭力を鍛える』)
- 自己啓発(例:『嫌われる勇気』)
② YouTube・Podcastで“耳学”
移動中や家事中など、スキマ時間を活かせる「耳学」は社会人の味方。
モチベが低い日でも“聞くだけ”で学べるコンテンツは非常にありがたい存在です。
実際に筆者は、「ながら勉強」のおかげで毎日学習に触れることが習慣になりました。
学びたい学習以外にも、YoutubeやAudibleで本の要約なども聴けるのでおすすめです。
③ 無料教材サイト・講座を試す
いきなり高額な通信講座に申し込むのではなく、無料で学べるサービスから始めてみましょう。
代表例:
- gacco(大学講義が無料で受けられる)
- Udemyの無料講座
- スタディサプリの無料体験
「試す→合えば継続する→合わなければ辞める」この姿勢が一番大事です。
スキマ時間を活用するには?社会人に最適な勉強時間の作り方
「勉強しようと思っても、時間がない。」
これは学び直しをしたい社会人の多くが抱える悩みです。筆者も同じように、仕事・家事・付き合いで自分の時間がまったく取れず、最初は何度も挫折しかけました。
しかし、ある工夫をしたことで“スキマ時間”が学習時間に変わり始めました。
時間は「あるかないか」ではなく「つくるかどうか」
たとえば以下のように、“日常の中の小さな空き時間”を見直すことで、思いのほか時間が確保できます。
時間帯 | 活用方法 | 所要時間 |
---|---|---|
通勤中 | 電車内で読書・耳学 | 20〜40分 |
朝の支度中 | Podcastで音声講座 | 15分 |
昼休み | Kindleで1ページだけ読む | 10分 |
帰宅後のスキマ | YouTubeで勉強動画 | 15〜30分 |
寝る前 | メモや日記に学びを書く | 10分 |
コツは、「集中して1時間」よりも「5〜15分を積み重ねる」という意識を持つことです。
実例:平日夜型・休日朝型のハイブリッド型ルーティン
筆者は「平日は通勤時や業務中の車移動中のスキマ時間に耳学+仕事終わりは漫画喫茶で勉強+休日も自宅以外でがっつり勉強」というハイブリッド方式にしてから、無理なく継続できるようになりました。
朝に散歩を取り入れてから勉強する、勉強する環境を変える、スキマ時間を活用する、など様々方法はありますので、自分に合った方法を探してみましょう。
「何を学べばいいかわからない」人のための選び方フレームワーク


興味だけで選ぶと続かない。でも、興味がないともっと続かない
「将来役に立つことを学びたい」
「市場価値の高いスキルを身につけたい」
そう思う一方で、無理に“役立ちそう”なジャンルを選んで続かなかった、という失敗談は多く聞きます。
そこで筆者が取り入れたのが、**「3つの軸フレームワーク」**です。
【学び直しの選び方3軸】
軸 | 質問例 | 解説 |
---|---|---|
①興味 | 休日に調べたくなることは? | 続けやすさに直結する |
②得意 | 過去に褒められたことは? | 学習のハードルが低くなる |
③価値 | 世の中でニーズがある? | 転職・副業への展開も期待できる |
この3軸すべてを満たすテーマがベストですが、まずは「①興味」だけで選んでもOKです。
学び直しは、完璧を求めすぎると動けなくなります。
独学と通信講座、どちらが合う?リアルな違いを比較
学び直しを少し続けていると、「もっと体系的に学びたい」「資格に挑戦したい」という気持ちが芽生えてくることがあります。
そんなときに迷うのが、独学と通信講座、どちらを選ぶべきか?という問題です。
ここでは、筆者の実体験と周囲の声をもとに、リアルな比較をしてみます。
🔍 独学 vs 通信講座 比較表
項目 | 独学 | 通信講座 |
---|---|---|
費用 | 安価(書籍代のみ) | 数万円〜10万円程度 |
モチベ維持 | 自己管理が必要 | カリキュラムに従って進めやすい |
スピード | マイペース | 短期間で集中しやすい |
理解度 | 書籍の質次第で差が出る | 動画・質問サポートで理解しやすい |
向いている人 | 自律的に動ける人 | サポートが欲しい人、忙しい人 |
筆者は最初、独学で進めていましたが、2ヶ月ほどで行き詰まり通信講座に切り替えました。
通信講座の“毎週届く教材”や“進捗チェック機能”が、逆に「今日もやらなきゃ」という原動力になりましたね。
学びを“続ける”ための工夫と習慣化のコツ
SNSを“学びの場”にする
X(旧Twitter)では、
「#社会人勉強垢」「#今日の積み上げ」
といったハッシュタグを使って、日々の学びを共有している人が多数います。
“勉強仲間”の存在は、想像以上に大きな力になります。
筆者も「この人も頑張ってるなら自分もやろう」と思える日が多く、孤独感が減りました。
習慣化のアプリを使う
おすすめアプリ:
- Studyplus(学習記録)
- Habitify(習慣トラッカー)
- Toggl Track(時間管理)
毎日「少しでもやったことを可視化する」だけで、“続けるハードル”が劇的に下がります。
筆者が感じた「学び直しの変化」とその後の話
3年前まで、「何かやらなきゃ」と思いつつ何もできていなかった筆者。
でも、読書から始まり、資格に挑戦し、通信講座を受け、今では「人に教える仕事」にまで関わるようになりました。
「たった5分の読書」
「Youtubeで聞いた本の要約」
「資格取得のチャレンジ」
そういった“小さな選択”の積み重ねが、今の自分をつくっています。
よくある不安と、その答え


「資格を取らないと学び直しの意味はないのでは?」と感じている方へ
そんなことはありません。
学び直しの目的は、単に資格を取ることではなく、「自分の可能性を広げること」。
資格はそのための“手段のひとつ”に過ぎません。
読書や動画視聴、知識のアップデートでも、立派な“学び”です。
「この年齢から始めても、もう遅いのでは?」という不安に対して
始めるのに年齢は関係ありません。
筆者が学び直しを始めたのは30代半ば。
SNSや学習コミュニティには、40代・50代から行動を始めている方もたくさんいます。
むしろ人生経験があるからこそ、学びの意味も深まるものです。
「やりたいことが見つからないけど、何から始めればいいのか…」
“これがやりたい”という明確な目標がなくても、全然大丈夫です。
最初は、少しでも「気になる」「面白そう」と思ったことを試してみましょう。
やってみることで、向き・不向きや興味の深さが自然と見えてきます。
「忙しくて、毎日は続けられないかもしれない」
無理に“毎日”やる必要はありません。
続けられるペースで、ゆるやかに続けることが一番大切です。
週に1回でも、5分でも、「ゼロではない」という積み重ねが自信につながります。
「途中でやめてしまったら無駄になるのでは…?」
途中でやめても、それは失敗ではありません。
「やってみたからこそ、自分には合わなかったと分かった」ことも、立派な経験です。
“何もしないまま”よりも、ずっと前に進んでいます。
まとめ:迷ったら“5分だけ”やってみる。それが第一歩になる
社会人の学び直しは、すぐに成果が出るものではありません。
でも確実に、少しずつ自分の中の“何か”が変わっていきます。
何を学ぶか、どう学ぶかは後からついてきます。
まずは、“5分だけ”でいい。スマホで記事を1つ読むだけでも構いません。
小さな一歩が、半年後・1年後の未来を変えるきっかけになりますので、皆さんもぜひ学び直しを取り入れてみてはいかがでしょうか?